防災の日に考える。危険を回避するための新常識2017
9月1日は「防災の日」。そして防災の日を含む1週間を「防災週間」というのをご存知でしょうか。2017年(平成29年)は8月30日(水)から9月5日(火)まで。
9月2日 テレビ朝日 池上彰のニュースそうだったのか は「防災スペシャル」でした。地震・豪雨など、相次ぐ災害に見舞われる日本ですが、近年、これまで常識とされていた「防災」の方法が改められてきているのです。
つい先日は北朝鮮からICBMミサイルが発射されるということもありました。家族を守るために、2017年の「防災の新常識」をチェックしておきましょう。
9月1日は関東大震災があった日です。1923年(大正12年)11時58分。お昼時に起きた地震で多くの火災による二次災害が起こったことで知られています。
目次
2017年 防災の新常識
各自治体でも、防災の認識を広めるための対策が取られています。
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東京防災
東京防災は東京都が発行した防災ブックです。30年以内に70%の確率と予測されている首都直下地震。その様子を漫画家かわぐちかいじ氏(『沈黙の艦隊』『ジパング』『太陽の黙示録』など。)がリアルに描いた TOKYO“X”DAYが掲載されていることも話題となりました。
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番組でクイズ形式で紹介されていた防災の新常識をまとめて行きたいと思います。
家にいる時に地震に遭ったら?
地震が来た時、避難するとき、どのような行動を取るか。これまで常識とされ、皆さんが通説として認識していることが、「間違った常識」になっていることもあるのです。
火の始末は?家の中の安全な場所は?など、非常時の行動についてチェックしておきましょう。
地震発生の瞬間にすべきこと
「火を消す」というのは家事を防ぐために重要だと思われがちですが、まずは身を守る行動をとるのが正解です。なぜなら、ガスは自動で止まるからだそうです。
器具の新旧に関係なく、振動を感知するとガスが元栓からストップするように対策が取られているそうです。
関東大震災の教訓から「グラっときたら火の始末」というのが標語になったこともあるようですが、油をかぶってしまうなどの危険もあるため、現在はまず自分の身を守ることが推奨されています。
地震が起きたら家の中のどこにいく?
「地震が起きたらトイレが安全」(柱に囲まれているから)ということを聞いたことがあるのではないでしょうか。現在ではトイレに隠れると物が倒れてきたときに閉じ込められてしまうこともあるため、トイレよりは玄関の方が安全とされているそうです。(玄関は比較的家具が少ない・すぐに避難に移れるということからも)
揺れが収まったらまずすることは?
逃げ道・出口を確保する・避難に移る ことが重要と思われがちですが、まずは落ち着いてスリッパなど「履き物」を確保しましょう。割れたもので足を傷つけることを防いでくれます。
ビルの中で地震に遭遇したら?
2011年3月11日。まだ記憶に新しい東日本大震災。この時の映像も公開されていました。大きく揺れる高層ビル。
通常の住宅と違い、防災の方法としても新たな常識が解説されていました。
ビルの中でどこに逃げる?
ビルの中で大きな揺れが発生したら、どのような行動を取るべきでしょうか。「デスクの下」「階段で避難」と思う方が多いかもしれませんが、オフィスにはコピー機などの大きな機械があるため、危険だそうです。階段も人が集中すると危険。
窓ガラスや家具が少ないことが多い「エレベーターホール」が比較的安全だそうです。エレベーターで姿勢を低くして身を守ることが大切だそうです。
地下で地震に遭遇したら?
スタジオでは満場一致で「すぐに非常口へ行く」ことを選択しましたが、みんながそう考えて「パニック」や「群衆なだれ」が起こる可能性があり、危険だそうです。
まずは「柱や壁際で待つ」というのが今の常識だそうです。
地下の揺れは地上の1/3と言われています。まずは落ち着いて身を守る行動にうつりましょう。
繁華街で地震に遭遇したら?
ビルの多い繁華街で地震に遭遇したらどのような行動に移ればよいでしょうか。ビルの近く(壁の近く)か?ビルの中に入るか?
ビルの壁際はガラスや外壁が落下してくる可能性があります。一番は広場・公園に逃げることですが、ビルの外にいるよりは「ビルの中に入る」方が安全ということでした。
運転中に地震に遭遇したら
揺れを感じたら路肩に停車して揺れが収まるまで待ちましょう。そしてその後は「道路外まで車で移動する」のが今の常識だそうです。
「鍵を付けたまますぐに避難(車を路肩に放置)」と言うのを聞いたことがあるかもしれませんが、緊急車両の通行スペースを確保するため、ゆとりがあったら近くの広場や駐車場に車を移動させるのが今の考えだそうです。
移動後でも、やはり警察・消防が車を移動する必要が出てくる可能性があります。車を移動させた後もキーはつけたまま避難しましょう。
東京の道路にあるナマズマークの意味は?
東京で車を運転するとナマズの標識を見ることがありますね。ナマズマークがある道路は、大きな地震災害の際に通行できない道路です。
緊急車両が通るので、車の避難は避けましょう。
警視庁 緊急自動車専用路・緊急交通路
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/saigai/shinsai_kisei/emergency/index.html
避難するときの防災新常識~
揺れが収まり、怪我などもない。避難勧告などがなければ避難の判断は自分ですることになります。
避難の前にやっておくことは「ブレーカーを落とす」ということ。通電火災といって、阪神淡路大震災の時に有名になりました。
停電が復旧したときに、ストーブの周りにものが倒れているなどで火災が発生することがあります。避難の前にブレーカーを落とすことで通電火災を防ぐことができます。
住宅が密集していると火災は一気に広がります。初期消火のためにも、消火器を用意することも大切ですね
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家庭用 消火器
検索してみると、3000円しないものなどもあり、意外と揃えやすい価格帯でした。(スプレーのようなものはもう少し低価格ですね)
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災害時にパニックに陥りやすい場所
橋や歩道橋は急に狭くなり、人が密集すると将棋倒し・群衆なだれが起きる可能性があります。
職場で様子をみる・慌てて帰らない という選択肢も時には重要なのです。
避難場所と避難所の違い
避難場所と避難所の違いについても解説がありました。
避難場所は広域避難場所で、大きな公園などが該当します。こちらは一時的に逃れる場所

避難場所には「一時集合場所」というものもあり、東京都の場合はこの一時集合場所に避難し、その後避難所に行くか避難場所に行くかを判断する「二段階の避難」が推奨されているのです。

避難所は学校や公民館などの建物です。「避難所生活」など、ある程度の期間生活が可能な場所のことです。
これらは非常口マークを元にしているということです。

非常口のマークは日本で発明され、世界に広まっているどうですよ!
自治体で災害マップなどが配布されていることも多いですよね。是非、避難所や避難場所をチェックしておいてくださいね!
地震に対する備え 新常識2017
食料の備え方で推奨されているのは非常食よりも「普段の食料を多めに買う」ということだそうです。
ローリングストックといい、備える・食べる・買い足す というサイクルを心がけておくと食料の期限切れが防げるとされています。
食料や生活必需品は何日分?
従来3日分とされてきましたが、これは古い常識。備えの常識も変わってきているのです。
行政も被災して食料が供給されないということが予想されています。
例えば首都直下型地震が起こると、
電気は1週間
水道は1か月
ガスは2か月
止まるところも出てくるとされています。
避難生活の経験者アンケートで役に立った非常食のランキングが公開されていました。
1 ミネラルウォーター
2 缶詰め
3 インスタントラーメン
4 レトルト食品
5 飴
だそうで、飴は意外ですが「甘いものが欲しくなる」という意見が多かったようです。黒糖などはミネラルも補給できるメリットがあるんだとか。
1週間分の食料備蓄例
4人家族で
水2リットル30本
米10kg
レオルト食品10袋
簡易トイレ100セット以上
という目安が紹介されていました。2リットル30本は結構大きいですね!
また、カンパンには最近氷砂糖やコンペイトウが入っているそうで、これには唾液の分泌を促してカンパンを食べやすくするという狙いがあるそうです。
以前、避難時のセットの重量についても記事にまとめました。末尾でリンクも紹介しています。避難時に持って逃げられるものは女性だと10kgぐらい。赤ちゃんが3kgだと荷物は7kg。そのため、持っていくものを厳選する必要があるのです。
避難所であってよかったもの
ラップは皿に巻くことで皿を洗わなくてもよくなり、便利だったそうです。
寒い時はお腹に巻くことで防寒に!(新聞でもよい)
怪我に巻くことで一時的な止血にも!
自治体や企業の取り組み
自治体や企業も、防災に関する取り組みを強化しています。例えば自動販売機の中には災害時に飲料を無料で提供できるものがあるのです。
東日本大震災以降に増加したそうで、管理者が専用キーを使うと非常電源に切り替わってボタンで飲料がでるようになるものも。(最大で500本!)
他にも、手回しの発電機能を備えたものもあるようです。
サントリー
http://www.suntoryfoods.co.jp/jihanki/operation.html
伊藤園
http://www.itoen.co.jp/csr/community/vender01/
ダイドー
https://www.dydo.co.jp/corporate/jihanki/disaster.html
普段気にせず利用している自動販売機ですが、このような機能を備えたものもあるのです!今度近くの自販機もチェックしてみようと思います。
海に近い鎌倉などでは、郵便ポストに海抜表示をするなどといった対策も取られています。
都内では公園内に大量の備蓄をしている公園もあるのです。葛西防災公園には東京都から預かっている、約20万人が3日間避難生活できる量が!
以前当サイトでも紹介した南池袋公園ラシーヌもその一つなのでしょうか。
池袋駅徒歩4分 広大な芝生スペースがある南池袋公園(RACINES FARM to PARK)
他にも、公園のベンチが竈(かまど)になったり、簡易トイレになったり!ブランコにはそのまま布をかぶせてテントになる工夫も!
東京都は帰宅が困難な従業員のために毛布や食料品を3日分備蓄しておくように条例で制定。さらに一般企業が一時滞在施設として協力する場合、備蓄品の費用の5/6を補助してくれるそうです。
六本木ヒルズにはなんと10万食の備蓄を完備し、5000人の帰宅困難者を受け入れてくれるそうです!
災害時帰宅支援ステーション
災害時帰宅支援ステーションは、コンビニ・居酒屋など1万か所以上あるそうで、下記のサイトから最寄りのステーションを検索することができます。
会社の周りなど、場所をチェックしておくと良いかもしれませんね。
http://map.bousai.metro.tokyo.jp/
地震 防災の新常識2017 まとめ
首都直下地震30年以内70%という数字は、歴史の統計から30年に一回はM7クラスの地震がくるとされているもので、30年先まで大丈夫という意味ではなく、30年という期間内に地震が起こる確率。
つまり、いつでも70%!いまこの時間に地震がおきる可能性も70%なのです!
日本にいる限り、地震はかならずやってきます。
防災に関する情報も新しくなっているようなので、今後も変わっていくかもしれませんね。
最新の防災情報にアンテナを張っておく必要がありそうですね。
以前、育児と防災についてまとめた記事がありますのでこちらも参考にしてください。
地震の時、子供・赤ちゃんをどう守る?ママ必見!赤ちゃんのために備えるものリスト。


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