2020年から小学校でプログラミング教育が必修化。その目的は?どんなことをするの?プログラミング的思考とは。
小学校で2020年から実施される教育改革。中でも「プログラミング教育」について。
注目が集まるプログラミング教育の必修化。中には不安を感じているパパママも多いのではないでしょうか。
以前尾木ママがMCを務めるNHK Eテレでプログラミング教育について取り上げられていました。(2017年5月放送)
僕はWEB制作者としてプログラムに触れることも多い立場にあります。専門的な観点からも、このプログラミング教育の必要性・将来性について解説していきたいと思います。
プログラミングに馴染みのないパパママにも分かりやすいよう、「プログラミング教育って結局なに?」「どんなことするの?」という部分をリサーチしてみました。
こちらのページでは実際にオンライン・オフラインの子供向けプログラミング教室もご紹介しています。選ぶ際に比較するポイントについても解説しているので是非参考にして下さいね。
子供向けプログラミング教室の選び方。オンライン?オフライン?言語・将来性・目的別にスクールをチェックするポイント
オンライン・オフラインの子供向けプログラミング教室を比較!言語・費用・エリア・勉強内容
目次
2020年 教育改革
2020年から実施される教育改革には3つの大きな柱があります。
1.自発的に学ぶ力を伸ばす「アクティブ・ラーニング」
2.英語教育の早期化
そして、3.プログラミング教育の必修化 というわけです。
アクティブ・ラーニングについては以前リサーチした記事があります。
アクティブ・ラーニングで日本の教育はどう変わる?大学受験が変わり、センター試験がなくなる!?
プログラミングって?
まず、「プログラミングって?」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。
プログラミングとは、コンピューターに指示を出して、自分の思った通りの動作をさせることです。
僕自身プログラミングとは無縁な人生でしたが、20代後半でWEB業界に興味を持ち、勉強を経て転職。現在はフリーランスで活動しています。
WEBに置き換えてプログラミングの例を挙げると、ユーザーの入力や選択によって表示するページを変えたりするのもプログラミングで行われています。
もし、ユーザーがログインしていなければ、ログイン画面を表示する。
もし、ユーザーが正しいユーザー名とパスワードを入力してログインボタンを押したら、そのユーザーのマイページを表示する。
「もし〇〇したら■■する」というプログラムが実行されています。
必要?なぜ小学校で必修化になるのか。
2020年から必修化されるプログラミング教育ですが、実際には試行期間というものもあるのでもっと早くから準備が行われると考えてよいでしょう。
このプログラミング教育必修化には、文部科学省だけでなく総務省や経済産業省も関わる一大プロジェクトなのです。
小学校を中心としたプログラミング教育ポータル「未来の学びコンソーシアム」
https://miraino-manabi.jp
番組の中で総務省 情報通信利用促進課 御厨祐司さんがこうコメントされていました。
総務省 情報通信利用促進課 御厩(みまや)祐司さん
子供の未来がかかっていることでもあるので、知っておく必要があると考えています。
これから人工知能やロボットなど新しい技術が出てくる世の中になる。
今まで人間がやっていた仕事が機械に取って代わられて無くなったりする。
人工知能にしてもロボットにしても元をたどれば人間が必要な指示を与えて動くようにプログラミングしたプログラミングの産物でもある。
ロボットや人工知能と上手く共存しながら一緒に生きていくうえで、それらを動かす基本的な原理であるプログラミングを学ぶ必要があるという想いを聞かせてくれました。
僕個人としても、今後はプログラミングの技術者がどんどん必要とされる時代になっていくと考えています。
既に世界ではプログラミング教育が始まっている!
アメリカでは2013年にオバマ前大統領が
プログラミングを学ぶことは自分の為だけではない。国の将来がかかっている。新しいゲームを買うだけでなく自分で作りましょう
とコメントしています。
イギリスでは5歳、フィンランドでは7歳からプログラミング教育が必修化されているのです。
尾木ママはオバマ前大統領のコメントに対し「教育は子供のためであるべき(その結果、国を支えていく)」という事を仰っていました。
ウェブビジネスの市場規模
2011年から2020年でウェブビジネスの市場規模は4.5倍になるという試算があるという話も出ていました。
経済産業省のデータらしいのですが、こちらはソースが見つけられませんでした。ただ、プログラミング技術者は現段階(2018年)でも足りていないなというのは肌で感じます。
企業がこぞって経験者の雇用に乗り出すだけでなく、プログラミング教室運営で技術者の育成に乗り出しているからです。ここ数年でプログラミング教室事業や転職・求人は確実に増えているのは間違いありません。
僕は学校で全くウェブの事を勉強せず、社会に出てからスクールに通いました。
できれば子供には(興味を示せばですが)早い段階から勉強して欲しいなと感じています。
「プログラミング」という教科が増えるわけではない
保護者の中には、やりたい人だけで良い・・・
授業が増え、他の大切な授業が減ってしまう?
という意見・心配をお持ちの方もいました。
学習指導要領の改定案によると、「プログラミング」という教科が増えるわけではないということでした。
算数・理科・国語・総合的な学習、それぞれの時間の中にプログラミングを取り入れて教えるということが提案されているのです。
文部科学省 教育の情報化の推進
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1375607.htm
小学校プログラミング教育の手引(第一版) (PDF:3578KB) PDF
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm
授業の中にプログラミングの考えを取り入れることで、プログラミング的思考を身につけてもらうのが狙いなのです。
PDFのデータを確認すると、実際の設問例などを見ることができます。
算数にプログラミングを取り入れ、図形を書くプログラムを考えたりというものです。
四角形を書くには、同じ長さの辺を90°回転させて繰り返し描く必要があります。3角形ではどうなのか。6角形ではどうなのか。プログラミング的思考が身に付くだけでなく、図形に対する理解も深まる勉強方法と言ってよいでしょう。

プログラミング的思考とは授業の例
プログラミング教育の導入をサポートする 元古河市教育委員会参事 平井総一郎さんが登場し、コンピューターを使わないプログラミング(アンプラグドコンピューター)の様子を披露してくれました。
ロボットに扮した人に、コーヒーをカップに注いで椅子に座り、コーヒーを飲むように指示を出すというもの。
スタジオに参加している保護者の方々が指示内容を考えますが、ロボットに実際に指示をするには、具体的で明確な指示が必要なのです。
「コーヒーをカップに注ぐ」という抽象的な指示ではなく、コーヒーの入ったポットをどちらに何度傾けて、どれくらい待つかなど。
自分で考えることのできないコンピューター・ロボットに指示を出すには、どんな手順を踏めばいいのかを論理的に考える必要があるのです。これがすなわち”プログラミング的思考”というわけですね。
この授業内容は、国語や道徳など、自分の意見を論理的に伝える・相手に伝わるよう正しく言葉を使うということに繋がります。

既に取り入れている学校
千葉県の柏市では2017年度から全ての小学校でプログラミング教育を導入しています。
番組で取り上げられていらのは授業で1年生に学校を紹介するためのプログラムを組むというものでした。
クラスをグループに分け、音楽室や理科室の用途や設備の説明をするアプリを作っていました。
驚いたことに、しっかりと使う人(1年生)の事を考えて必要な素材(教室・設備の写真や動画)を集め、アプリを作っていたのです。
そのアプリを作るのも、実際にプログラミング言語をパソコンに打ち込むわけではなく、SCRATCH(スクラッチ)を利用して作る様子が確認できました。
SCRATCH(スクラッチ)とは
SCRATCH(スクラッチ)とは、パソコンとWEBサイトを見るブラウザがあれば誰でも簡単なアニメーションを作る事ができるアプリケーションです。
僕も、実際に利用してみました。存在は知っていましたが、使うのは初めて。でも、チュートリアルに沿って簡単なアニメーションをものの数分で作ることができました!
スクラッチの公式サイトはこちら!ユーザー登録をしなくても作る事ができますよ!
https://scratch.mit.edu/
NHKのスクラッチ紹介ページはこちら
https://www.nhk.or.jp/school/programming/start/index.html
プログラミングを学ぶというよりは、プログラミングに必要な思考が身に付くアプリだと思います。
プログラミングには、どういった言語でも、if や、ループの考え方があります。
if(もし)〇〇したら■■を行う(それを繰り返し行う・ループする)
スクラッチで遊ぶことで自然とそういった処理が身につくのでしょうね。良くできたアプリだなと思います。
通常プログラミングというのは、パソコン上にプログラミングができる環境を作る所から始まります。そういった手間がなくプログラミングの基礎に触れることができるのは素晴らしいと思います。
プログラミング教育の課題 教育方法 カリキュラム等は?
プログラミング教育の課題についても紹介されていました。
・具体的な教育方法は決められていない
・そのため学校によって差がついてしまう
という課題があるそうです。
プログラミング経験のある保護者の助言を求めるなど、地域・周囲と一体となって進めて行く必要があるでしょう。
中には、保護者が主催したプログラミング教室で楽しそうに学ぶ子供たちを見て、学校側が授業にプログラミングを取り入れたという例も紹介されていました。
まとめ プログラミングはクリエイティブ!
少なくとも授業でパソコンに向かってプログラム分を打ち込んで・・・という授業があるわけではないということですね。
「プログラミング必修化」というとそういうイメージを持ってしまいがちですが、
論理的な考え方を身につける
正しい情報を伝える術を身につける
そういったメリットはあると思います。
「プログラミング」と聞くと、機械的・冷たい という印象を覚える方もいるかもしれません。(僕も以前はそうだったかも)
プログラミングを身につけるということは、今後さらに身近になるであろうウェブ・アプリケーション・AIの裏側を知るということです。
「こんなアプリが作れるかも」「こんなアプリが作ってみたい」
プログラミングを知る事で、クリエイティブなことに興味を示す子供も多くなるでしょう。
プログラミング教育は、子供たちの可能性を広げる教育だと僕は思います。
冒頭でもご紹介しましたが、こちらのページでは実際にオンライン・オフラインの子供向けプログラミング教室もご紹介しています。選ぶ際に比較するポイントについても解説しているので是非参考にして下さいね。
子供向けプログラミング教室の選び方。オンライン?オフライン?言語・将来性・目的別にスクールをチェックするポイント
今後もプログラミング教育の情報はリサーチし、こちらのページから一覧できるようにしたいと思います。是非チェックしてみてくださいね。
プログラミング教育

Root-013

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