子供のうつ病は大人と違う症状!?知っておきたい子供の「うつ」について。うつ病のチェック項目などのご紹介
2017年4月19日 NHK Eテレ 「きょうの健康」で「子どものうつ病」について放送されていました。
- 大人と違う子供のうつ病の症状とは?
- 子供のうつ病の治療は?
大人の病気と思われがちな「うつ病」ですが、子供もうつ病になるということが分かっています。
目次
子供のうつ病
日本うつ病学会では、2016年7月に治療ガイドラインを改定し、子供のうつ病の項目を追加しました。
日本うつ病学会
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/
ガイドライン(PDF)
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/mood_disorder/img/160731.pdf
子どものうつ病は、大人とは違う症状で、大人と同じ治療では効果が出ない場合があります。子どものうつ病チェック項目なども紹介されていたのでシェアしたいと思います。
子供のうつ病の症状
コメンテーターは北海道大学医学研究院 特任教授 齊藤卓弥(さいとうたくや)さん
受験、部活・学校での人間関係。子供も大人と同じように、日々様々なストレスにさらされています。未発達な精神、心。それらをうつ病から守るために、大人は子供のうつ病についても知っておかなくてはいけないなと感じました。
2016年7月以前は、うつ病のガイドラインに、子供のうつ病に関するものがなかったということですが、これについて斎藤特任教授はこのように仰っていました。
特任教授 齊藤卓弥さん
昔は子供にうつ病はないと考えられていたが、現在は子供にもうつ病があると考えられている。
子供のうつ病は大人と大きく異なる部分がある
大人に効いて子供に効かない薬がある
子供のうつ病の対象年齢
6歳から18歳
6~12歳は症例が少ないですが、13歳~14歳以降に増え、大人の発症率と大きな差が無くなるということです。
ケース 母親 Aさん 中学二年の娘 Bさん
娘のBさんが1か月ほど毎日、一日中怒りっぽくなる・何をしても楽しくないと、学校を休みがちになり、朝起こしてもなかなか起きず一日中ゴロゴロ。食欲はあり、食べすぎと思う程たくさん食べ、体重も増加。反抗期で怠けているだけだと感じたAさんですが、かかりつけの小児科に受診したところ、うつ病の疑いがあるとされたそうです。
うつ病のイメージというと、眠れない・食欲がない というイメージですが、児童思春期のうつ病の症状はこれとは全く逆のものでした。
大人のうつ
・憂鬱な気分
・不眠
・食欲低下
子供のうつ
・イライラ怒りっぽい
・過眠(思春期以降顕著)
・過食(甘いものを食べたくなる 思春期以降顕著)
怒りっぽく、ゴロゴロしていて、ご飯はしっかり食べる。この状態で、「うちの子、うつ病なんじゃ・・・」と思う親御さんはほとんどいないでしょうね。
子供のうつ病 チェック項目
- 赤文字の1~2のどちらかに当てはまる
- 赤文字含む、全部で5つ以上に当てはまる
- 症状がほとんど1日中、2週間以上続く
- 仕事・学校・家庭で問題が生じている
この条件を満たす場合、うつ病と診断されるということです。
特任教授 齊藤卓弥さん
子供のうつ病の診断は、大人のうつ病以上に難しいと考えられている 専門家でも難しい
子供の場合6~18歳ということもあり、6歳と18歳ではうつ病の症状は発達面からみてもかなり違う
正しく評価することが難しいため、本人だけでなく、学校・家族など周囲から情報を集めることも重要
厚生労働省 平成27年 人口動態統計月報年計(概数)の概況によると、10代後半以降の子供の死亡原因の第一位は自殺ということです。
子供が「死にたい」といったことを言う場合は、事態を重く受け止める必要があり、医療機関を受診することを考えるようにしましょう。
子供のうつ病が疑われたら相談する所
一番は児童思春期精神科ということですが、数が少なく、待ち時間も長いそうです。確かに、あまり耳にしたことのない名称ですね。児童思春期精神科なくても診断をしてくれる先生はいるので、
・かかりつけの小児科医
・養護教諭
・スクールカウンセラー
などにまず相談し、診断してくれるお医者さんを紹介してもらうのが一番ということでした。
子供のうつ病を治療するには
うつ病の具体的な治療方法については、症状によってかわってくるようです。
軽症の場合
心理教育
・・・本人や家族に病気の情報を与える
環境調整
・・・家族や学校などの環境にアプローチして、心と体が休める環境を作る
支持的介入
・・・患者の気持ちを聴き、理解し、共感する
家族へのサポート
・・・患者を見守る家族へのサポート
中等症・重症の場合
薬物療法
・・・子供の場合、大人と大きく異なる。大人には効いて子供には効かない薬があり、子供にも効果がある抗うつ剤は一部(SSRIの一部のみ海外で有効性が報告されている)と言われている
精神療法
・・・考え方や行動を変えていくより専門的な治療
薬物療法については、日本で有効性が報告されているものはまだなく、24歳以下が抗うつ剤を服用した場合、自殺関連行動が増加することが報告されているそうです。副作用が出た場合は、服用の中止を含めた速やかな対応が必要なので、担当医師に速やかに報告することが求められます。
うつ病の本人が心がけること
生活リズムを整える
・・・毎日決まった時間に起き、食事したり、朝に明るい光を浴びる、一定の運動をする
うつ病患者の家族が心がけること
本人と一緒に、「うつ病」という病気をきちんと理解すること。子供が困っていることをきちんと聞いてあげる・子供の声にしっかりと耳を傾ける・・・傾聴
「どうして?」「なんで?」と聞きがちだが、子供は攻められているような気持になってしまう。親が聞きたいことではなく、「どれだけうつがつらいのか」など、子供が聞いてほしい事を聞く。
復学
うつが良くなっても、期間が空くと通いづらくなってしまうもの(環境・対人関係の空白)なので、保健室や別室を利用して段階を踏み学校に戻れるようにする。
子供のうつ病まとめ
わが子がうつ病になったら?・・・なんて、考えたくもないことです。一番良いのは、子供が悩み無く、健全な精神状態で過ごすことですね。そのために親ができることってなんでしょうか?
子供になにかあっても、相談できる(してくれる)信頼関係を築いてゆくことでしょうか。そのためには、普段から子供の話をよく聞いてあげることが大切ですよね。
あらためて育児について考えさせられました。


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